製紙業

Paper Industry

中部の製紙業としては、美濃和紙が最も古い産業である。奈良時代ないし平安時代にかけて起こり、江戸時代以降になって長良川の上流域で大きく発展したと考えられている。そして下流域へ和紙が輸送されて、和傘などこの地ならではの製品にもなった。その成長を支えたのが、舟運、鉄道、橋梁などのインフラだった。そうした交通インフラが整備されていくにつれて、より効率的に輸送されるようになる。

さらに近代産業としては、明治末に製紙王・大川平三郎が水の豊かな中津川に洋紙の製紙業を興し、水力発電、中央本線や軽便軌道を用いて発展した。
製紙産業を支えたインフラの多くは、現在でも訪れて見ることができるほか、和紙商で栄えた町並みもまた、美しい面影を遺している。

 

(写真提供: 丸重製紙企業組合、撮影: OfficeFujita 藤田豊和)