モーゼル川を思わせる美しい穿入蛇行カーブに沈下橋が彩を添える。途中で海に背を向けるなど、流路が「どこへ連れていかれるかわからない」意外性も特筆。
「鵜山の七曲り」をはじめ、深山幽谷に見事な穿入蛇行を呈する。新旧の繞谷(環流)丘陵が幾重にも代を重ねる等高線の美しさ。
万年雪記号のまん中から流れ出る上流部の峡谷、中流域のダイナミックな河岸段丘、そして関東平野をゆく下流部は、江戸初期の瀬替え以来、無数の用水が時に立体交差しつつ交錯する複雑な網の目流域を形成する。
曲率の変動する細かい無数の蛇行が芸術的なラインを描く。「川廻し」でできた川のトンネルや旧河道もこれに彩を添えている。屈曲を意味するヨボロ→丁(ようろ)→養老の由来も一興
終始自然の河川で、終点はサンゴ礁の海に連なるマングローブの干潟。流域にはヤエヤマヤシ群落も。
日本海水系なのに、支流の来馬(らいば)川は断崖絶壁をなす太平洋(内浦湾)までわずか400メートルまで迫る。
有明海に注ぐ緩い勾配の一級河川で、2万分の1(0.05パーミル)は全国屈指。今どきこれだけ大きな蛇行が現役なのも珍しく、流域には河港の名残をとどめる町も少なくない。
51.2キロの大半が自然そのまま手つかずの原始河川。川岸に集落は皆無で、源流近くから河口直前まで、低層湿原をまさに自由蛇行する屈曲の数は無数。
典型的な先行河川で、しかも水源は広島市のすぐ隣の瀬戸内海からわずか25キロ。河川争奪や谷中分水界の事例にも事欠かない流れ方の意外性が光る。
米沢盆地と山形盆地を潤して庄内平野までの途次、2回の「山越え」はきわめて異例。芭蕉「奥の細道」をたどりつつ地形鑑賞するには最適の川。