東京インフラ024 神田下水
人体と同じく、必要な栄養を摂取して、体内に行きわたらせるだけで、都市の<健康>は維持できない。入れたものは出す、つまり老廃物の正しい排出も、<健康>の維持には大切である。体の隅々から老廃物を集め、解毒して、体外に排出する […] ...
東京インフラ041 上野公園
古代、上野の山は広大な干潟に向けて南に突き出した「ミサキ」であった。台地の先端に鎮座する擂鉢山古墳や、縄文海進の名残ともいえる不忍池がそのことを物語る。 もともとは下谷に対しての上野、平坦な高台という地形上の名称だったと […] ...
東京インフラ072 明治神宮内苑・外苑、代々木公園、新宿御苑
明治天皇崩御後、神宮の東京鎮座が決定すると、内苑は国により南豊島御料地に、外苑は民間の手で青山練兵場跡地に設けることとなった。 土地本来の樹種である広葉樹を用いた人為による森厳の神苑「永遠の杜」づくりは、針葉樹が常識とさ […] ...
東京インフラ013 荒川放水路
今は荒川の本流だが、もともと隅田川から分岐する水路として人工的につくられた。世紀のプロジェクト・パナマ運河の建設に携わった唯一の日本人技術者・青山士(あきら)が指揮して、この東京の大工事は完成した。長さはパナマ運河の約1 […] ...
東京インフラ042 上野台地の崖線
台地と低地のせめぎあいがつくりだす優美な曲線。しなやかな鶴の首を想わせる。氷河期後の地球温暖化によって、氷が溶け出して海面が上昇し、押し寄せる波が長い時間をかけてこの崖を作り出した。 京浜東北線は、この崖下を上野駅から赤 […] ...
東京インフラ016 木場公園
都市の建設に材木は欠かせない。江戸建設の際も、大量の材木が使われた。 その流通を担う貯木場は、まず工事現場に近い江戸城周辺に設置された。しかし、江戸の大火後、都心のリスクを回避するために、それらは川向こうの深川に移設され […] ...
東京インフラ087 日比谷公園
近代洋風公園の嚆矢。霞が関の官庁街と丸の内のオフィス街の接点にあり、皇居・内濠などと連なる「東京セントラルパーク」を構成する。 往古は品川湾に臨む漁村であったが、江戸幕府の初期以来埋立てられ武家屋敷となり、明治初年には陸 […] ...
東京インフラ070 和田弥生幹線
「パリにはもうひとつのパリ、下水道のパリがある・・・。この下水道のパリにもそれなりの通り、十字路、広場、袋小路、幹線道路などがあり、往来が、ただし泥水の往来がある・・・。下水道だけでセーヌ両岸の地下に驚異的な暗黒の網目を […] ...
東京インフラ069 駒沢給水塔
渋谷がまだ区ではなく、東京市外の町であったとき、渋谷町は、町民のために独自の水道を敷設した。まず、町外の砧村に多摩川の取水所を設けて、駒沢村までポンプアップした後、町まで水を配水するシステムである。駒沢村につくられた中継 […] ...
東京インフラ055 多摩川
ロンドンのテムズ川、パリのセーヌ川とくれば、東京では隅田川ということになるだろう。ただ東京の場合、もう一つ重要な川がある。多摩川である。この川は、広大な武蔵野台地をかたちづくり、武蔵の母なる川と呼ぶにふさわしい歴史を歩ん […] ...