ドボ博 学芸員の部屋 007

東京インフラ解剖をめぐる vol.4 「御茶ノ水・元町公園」

こんにちは。ドボ博学芸員のY.Tです。

今回は「東京のインフラ解剖」で紹介されている、とある公園へ行ってきました。

 

降り立ったのはここ!

 

御茶ノ水駅(ドボ博027)です。

東京インフラ027 御茶ノ水駅

ここから歩いて目的地を目指しますが、このあたりはドボク萌えな遺産がたくさんあるので、寄り道しながら向かいたいと思います。

まず駅を出てすぐにあるのが、お茶の水橋。改札の名前にもなっていますね。

関東大震災の復興事業により昭和6年(1931)に架かった橋なので、もう86歳ですがバリバリの現役です。

π(ぱい)型ラーメンという珍しい構造で、橋脚が脚元にいくほどほっそりする、とってもスレンダーな橋です。

 

そしてもちろん、御茶ノ水といえばあの橋を紹介しないわけにはいきませんよね。

駅のすぐそばのガードレールも、あの橋をかたどった特別仕様です。

 

そう、その橋は…!

めちゃくちゃ工事中で見られませんでした!!!笑

御茶ノ水の橋といえば聖橋(ドボ博028)です。

こちらも関東大震災の復興事業として昭和2年(1927)に架かった橋です。90歳で、もちろん現役。

山田守という建築家のデザインで、湯島聖堂とニコライ堂の2つの「聖」を結ぶから「聖橋」なんだとか。

すぐそばには東京メトロの御茶ノ水橋梁(ドボ博029)もあるので、セットで見ておきたいところですね。

 

さて、駅周辺はこのくらいにして、目的地へ向かいます。

道すがらは、神田川(ドボ博026)沿いを散歩です。

東京インフラ026 神田川

ドボ博の解説によれば、外濠工事でできた崖から染み出す水が良質で、お茶を淹れるお湯にしたことから「お茶の水」なんだとか。歴史と風情を感じます。

 

おや、この建物は…?

東京都水道歴史館がありました。

http://www.suidorekishi.jp/

休日でもやっていたので、中に入って見たら、展示のレベルの高さに驚きました…!

江戸の給水システムから、上水の近代化、さらには現代の水道を支える技術まで、コンパクトながら、丁寧な解説あり、本物の遺構あり、といった感じで、思わずじっくり見てしまいました。

すぐ裏は本郷給水所公苑という公園になっていて、神田上水の移築復原遺構があったり、子供の遊び場になっていたり、とても気持ちのいい空間でした。

(ノーマン・フォスター設計のセンチュリータワーも見えます!)

 

そんなこんなの寄り道を経て、いよいよ目的地に!

この堂々たる入口、本日の目的地の元町公園(ドボ博025)です!

東京インフラ025 元町公園・旧元町小学校

この公園も先ほどの橋たちと同じく、関東大震災の復興事業でできています。

優美で洗練されたデザインであるだけでなく、小学校(旧元町小学校)とセットで設計されており、教育の中で子供たちに良質な空間体験をしてほしい、という意図が感じられるだけでなく、災害時の避難場所にもなるよう配慮されて設計されていることを感じます。

(小学校は地域ごとに一定数つくられるので、計画としてもとても巧みです)

公園内の階段。とても洗練されたデザインです。

奥に見えるのが旧元町小学校(平成10年(1998)閉校)です。

現在はフェンスで仕切られていますが、一体的に設計をしている当時の思想は今も感じることができます。

新緑がとても気持ちよく、まさにお散歩日和といった良い日でしたが、この気持ちの良い散歩も、関東大震災の復興事業や、その他様々な時代のストックのうえに成り立っているのだなあと、感じるドボ博巡りでした。

元町公園のツツジはとてもキレイでした。

 


【今回のルート】

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