「土木学会の持っているアーカイブ、いろいろな古い写真・図面などを、できるだけ多くの人に見てもらいたい」
土木好きなひとだけでなく、より多くのヒトに興味をもってもらいたい。
そんな思いから、いろんな分野の”土木をたのしむ専門家”にお集まりいただき、「座談会」を開催しました。
パート2 “壁の楽しみかた”
まずは、予告サイトと予告動画をご覧ください
建築の断面になってるところ。格好良かったんですけど、あれはどこですか?
あれは、品川の運河から見た倉庫の解体現場です。倉庫って土木なのか建築なのかよくわからないところではあるんですけど、物流っていう意味では土木というふうに捉えても良いんだろうと思います。
今回は土木構造物というわけではなくて、インフラや社会を動かしている施設という意味で扱ってますので。杉浦さんは壁目線で惹かれる感じですか?
「壁目線」って何ですか??
私、壁の写真をずっと撮り続けておりまして。
え〜と???
あ、ハテナが出てる。絶対伝わってない(笑)
外壁をマチエールや絵画的にみているんです。街の中に絵画がたくさんある感覚です。これは浅草橋のリベットなんですけど、リベットとか今あまりないものですよね。こういう知識を思いがけず得られることも楽しんでいます。「壁の本」という本もだしています。
切り取り方もカッコイイんだよね。ポストカードにしてもおかしくないぐらいアートになっている。
橋をメンテナンスする側からしたら問題かもしれないけど(笑)
本当にいろんなことが見えてくるんです。たとえば、工事の人が午後になると疲れて塗り方が変わることもあると思うんです。そういった、人間の痕跡や性格、疲れているとか、そういうこともちょっとずつ滲み出ているような気がして。造る方からしたら迷惑な目線かもしれませんけど(笑)
いやいや、いつもの街の見方が変わりますよ。あと「垂れ」も良いですよね。
そうそう、綺麗に均一じゃなくて。癖が残る感じとかね。時間が経過して。人の営みも感じて。
「侘び寂び」なんですね。しかし、いろんなところに行ってますね。
はい、行っちゃいけないところも含めて(笑)。壁はたくさんありますから。
【次回へつづく】