パート18 “(東京駅+渋谷駅)÷2=新宿駅!?”
田村さんの駅模型は、下からのぞくとまた面白いですよね。
東京駅の模型は、天井から吊ってましたよね。
あの時は、東京駅だけでなくて、大手町の駅や、東銀座に抜けるところまで地下通路を全部作って。4m×8mくらいの部屋がいっぱいになりました。
東京駅のステーションギャラリーの展示で。すごかったです。新宿駅は作らないんですか?
今作ってるところ。小野田さんには資料の関係で、またご相談にあがりますので、よろしくお願いします(笑)
さっきの渋谷駅がおもしろいっていう話も、渋谷駅、東京駅、新宿駅と3つ模型を作ると、また何か見えてくるかもしれませんね。渋谷駅は平行だと思っても、微妙な角度がついて、互いに絡み合っている。何か蠢いている感じが、すごく出てますよね。他の駅の、システムマチックな感じと違って。
渋谷駅、東京駅ときて、新宿駅をつくってみると、新宿駅は、「渋谷駅+東京駅」っぽいんですよ。
中間的な。
中間的なんですよ。2つの要素が絡んでいるのが、けっこう新宿駅っぽいんですよね。
斜めに入ってきてるもんね。
街道も元々斜めなんですよね。東京駅の場合はグリッド。そういう意味では、渋谷はいろんな入り組み方をしてますね。
渋谷は谷じゃないですか。さっき小野田さんがおっしゃってたように、谷だと1点に集中していってしまう。東京駅は、もともと海だったから真っ平。完全なグリッドが引けるわけですよ。渋谷駅は、それができないから交差していったわけです。その点、新宿駅は横に並べられるんだけど、丘だから起伏がある。それが、そのまま形になっているのが新宿駅かなって。
慣れの問題かもしれませんけど、渋谷より新宿の方がわかりにくいと感じる時ありますね。
その問題やめてください(笑)。使っている人によって、みんな違うんですよ。
渋谷駅も慣れれば、わりと楽だし。
新宿は横並びで、理解しやすい気もするけどなぁ。
アップダウンは細かいですよね。
例えば、東西をわたるときや、西口で京王線に出るのがわかりにくい。
新宿の方が、反対側に出るのが大変ですよね。
今度、真ん中にデッカイ地下通路を通しますよね。
北連絡通路の方ですね。あれができれば、今東西の両方にある改札がなくなって、池袋や横浜みたいに、駅の反対側に出るのが楽になりますね。
それと新宿はバスタを作って、南の方に重心を移そうとしている。まだ途中ですけど。
重心を移そうとしている。なるほど(笑)
渋谷も、道玄坂の方は栄えてるけど、南の方は全然。馬券売場への流れはあるけど。やっぱり今度の再開発は、そっちの方を再開発したい、ってことですかね?
そういうことだと思います。
雑然としてますもんね、南の方が。
今は1/4のエリアに、半分の人が行っちゃうんですよね。だから分散したい、っていうことです。
東京オリンピックを前にして、巨大駅が競い合うように、新たな脱皮を遂げようとしている、というところですね。
【次回へつづく】
座談会アフタートーク
■東京のダンジョンを真剣に考察する
迷いやすいとされる東京の駅。迷うという意味では同じでも、その理由は駅によって様々みたいですね。それぞれの駅の構造を分析して抽象的に把握してみると、意外とわかりやすいなんてこともあるかもしれません。
例えば下の記事では渋谷駅を考察しています。渋谷駅を使う人もそうでない人もぜひ一度ご覧になってください。
記事の最後で紹介されている本は、座談会中にも登場する田村さんが監修されています。駅の模型の写真もご覧になれますので、興味のある方はお読みになってみてはいかがでしょうか。
渋谷駅の考察はこちら
https://tokyo-calendar.jp/article/10495
田村さん監修の本はこちら
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4408337145/toyokeizaia-22/