「東京インフラ解剖」といきなり言われても、何の事だかよくわからない。そんな方にも、東京インフラを見る「とっかかり」を作ってもらうため、独自のこだわりをもつ専門家による、マニアックな座談会を行いました。壁マニア、地形マニア、橋マニア、鉄道マニア・・・。これを読めば、きっとあなたなりの東京インフラの見方が見つかるはずです。
パート16 “街は際にできる?”
川と駅の関係でいうと、川のそばに街ができ、街があるから駅ができやすい、っていうのもあるかもしれませんね。
ただ川といっても種類が違うんですよ。渋谷川は自然で、外堀は人工のお堀で。玉川上水は上水じゃないですか。
でも川と駅が関係しているところって、少ないんじゃないですか?全体としたら。
ありますよ!大塚や大井町。丘だと池袋とかがありますね。
池袋は「池の袋」と書きますもんね。
池袋は高台なんですよ。低いところじゃないんですよ。
池袋、新宿は高台。渋谷は谷ですね。
高田馬場は低くて、目白は高台。
あの辺は神田川が通ってますね。確かにありますね。
ありますよ。地形は川によって凸凹してるんですから。
駅は、川と街道が交差するんですかね。
渋谷は大山街道、今の246ですね。新宿は甲州街道。
宮益坂を降りていったところに、渋谷川がちょうど流れますよね。あそこのところに宮益橋があるんです。明治の20年くらいに石のアーチが架けられているんですよ。だから結構な街道だったんですね。
その頃に石のアーチっていうことは、相当気合を入れて作ってる。
幹線道路ですね。
宮益公園へ抜けられるビルの間で,現在自転車やバイクの駐輪場になっているところが、渋谷川ですよね。
中沢新一の『アースダイバー』には、渋谷の宮益坂や道玄坂には、かつて墳墓が掘られていて、スクランブル交叉点あたりは昔から死霊に見られている、みたいな話がありましたよね。
縄文時代はさすがに海水が来ていたので住めなくて、丘に住んでたんでしょうね。
丘から海を見下ろしてた。
結局全部丘の上ですよね。
谷と丘の際なんかに住んでたんでしょうね。
当時生活するのに良いのは際のところだから。そんなところは、歴史の堆積も大きなスケールで捉えることができそうですね。
【次回へつづく】
■座談会アフタートーク
■アースダイバーマップBisで縄文時代の東京を感じてみる
今回話題にあがった『アースダイバー』ですが、多摩美大中沢新一ゼミと首都大学東京のコラボレーションにより、GoogleMapやGoogle Earthを通して縄文時代の東京の様子を知ることができる「アースダイバーマップBis」が公開されています。
このサイトを通して、海食崖の上にいて海を見下ろしていた、というアースダイバーにでてくる様々な情景をより体感することができます。