東京インフラ058 多摩ニュータウンの橋

A sacred place of a pedestrian overpass


多摩丘陵に造られた日本最大規模のニュータウン。計画にあたっては、丘陵の自然と地形を活かし、車と歩行者の道を立体的に分離することで、緑豊かな歩行者ネットワークをつくることが目指された。そのためニュータウン内には、かなりの数の歩道橋が存在しており、歩道橋好きにはたまらない場所でもある。
そのなかでも、ひときわ輝きを放つのが、趣のある鉄のアーチに、赤レンガと花崗岩による橋台、華麗な装飾の橋灯と高欄を持つ、長池公園の長池見附橋だ。それもそのはず、この橋は1913年に皇居と赤坂離宮(現:迎賓館)を結ぶ道として、新宿四谷の外堀に架けられた四谷見附橋を移築したものなのである。1974年に新宿通りの拡幅により四谷見附橋の架け替えが必要になったことをきっかけに、地元住民や文化人から橋を惜しむ声があがり、土木遺産としての価値も高いことから移築保存されることになった。大正時代の姿を忠実に復元するために、鉄のアーチはできるだけ部材を再利用し、当時の継ぎ手であるリベットを用いるなど、移築保存としてのエポックメイキングとなる橋でもある。
このほかニュータウンには、鶴乃橋(1983年度土木学会田中賞)、くじら橋(1997年度土木学会田中賞)、鶴牧西公園歩道橋(2014年度土木学会デザイン賞優秀賞)、舞の橋など興味深い橋が多く存在している。(二井)

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種別 歩道橋
所在地 東京都稲城市・多摩市・八王子市・町田市

 

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