農業

Agriculture

製造業のイメージが強い中部地方であるが、実は農業もそうとう盛んだ。特に愛知県は農業産出額も全国第8位(平成28年)と全国有数の農業県である。近年は花きや野菜など商品作物の生産が活況であり、かつては綿作も畿内に次ぐ生産量を誇る地域であった。一方、南北に変化にとんだ自然条件をもつ岐阜県や三重県では、オールシーズンで多種多様な作物が栽培される傾向にある。農業の振興とその流通は、各地域の地形や土壌の特徴に合わせた利水や治水、そして輸送インフラが支えている。

愛知県の農業を支えているのは、木曽川や矢作川、豊川を主な水源とする農業用水である。現存するものとして、豊川水系では松原用水や牟呂用水、豊川用水、木曽川水系では愛知用水や宮田用水、木津用水、木曽川用水、そして矢作川水系では明治用水がある。ため池では国内第2位の規模を持つ入鹿池が現存している。生産物は、高速道路網のほか、衣浦港などの港湾などを利用して、流通している。