窯業

Ceramics

風化した岩質が太古の東海湖(200~500万年前)底に堆積し、これが隆起してできた土地をもつ常滑、瀬戸、そして東濃地域は、世界屈指の良質な粘土が得られ、古くからの窯業が盛んだった。

窯業には、陶土づくり、形成、本焼き、絵付け、錦窯(きんがま)などの各工程がある。瀬戸、常滑は本焼き前後の工程が近接して行われるが、東濃では材料・燃料などのすべてをエリア内で賄うことができ、地域内に分業が展開した。

製品は、街道を馬で運ぶか、川を舟(艀)で運ばれたが、近代に幹線鉄道が敷設されると、それと結ぶように民間の軽便鉄道が敷設され、同時期に築港された名古屋港と連絡し、生産や流通を拡大した。この窯業による製品は、われわれの食卓をはじめ日常のあらゆる場面で、なじみ深いものになっている。