四国インフラ066 石鎚山

雄姿と美しさを兼ね備えた巨峰


石鎚山といえば、火山活動と断層により形成された巨峰は男性的な雄姿で、愛媛を代表とするシンボルである。

「石鎚も南瓜の花も大い奈り」(富安風生)

たとえばこの句は、石鎚山の雄大さと南瓜の素朴さから愛媛の風土を表現している。

石鎚山は、1,982メートルの西日本最高峰の山であり、その麓は古くから日本七霊山の一つとして山岳宗教の修行の場となっており、容易に近付くことのできない神聖な空間が続いている。また山頂は、熊笹に覆われ、豊かな自然が残り、昭和30(1955)年には国定公園に指定されている。石鎚の美しい姿は、

「忘れては富士かとそ思ふ是や 此伊豫の高根の雪の曙」(西行法師)

など、数々の歌を残している。

石鎚山への崇拝は、弥生中期からあったとされており、室町時代には伊予の豪族であった河野通直や、河野氏滅亡後の伊予の領主の福島正則など石鎚権現を信仰していたという。

古代から伊予の国の<骨格>をなし、都市を支えるとともに、そこに生きる人々の精神的な支えとしても機能しているといえる。(片岡)

(赤色立体地図:アジア航測株式会社 国土地理院承認番号 平28情使第1285号 / 航空写真:Google Earth)

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 参考文献

 西海賢二:生活のなかの行道-石鎚信仰の深層,福武書店,15-21,1987.

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